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SUSTINA WBASEについての調査結果(回答)

(旧ブログから改変転載質問有り回答編です。)
(2017年2月5日修正 シェルのXHVI→XHVI、シェル以外でも製造されている為)
(2017年2月5日加筆 分かりにくい部分の表現を細かく)

Q:エネオスのサスティナに使われているWBASEって何?
A:多分コレ、程度で回答します。成分的なものを特定したので末尾に記載しました。



wbase01.jpg

分子構造的には、ほぼ直鎖の炭化水素だそうです。



wbase02.jpg

分子がひっかからないそうです。
例えばエステルなどの金属に吸着するソープ基があるタイプでは、密に吸着できるので直鎖に近いほうが良いようです。
ベースオイルは金属に吸着すると添加剤の邪魔になりむしろマズイので、そういった事は関係なさそうです。
ほぼ直鎖だとバンバン撹拌しても絡み合わないので当初の粘度を維持しやすい、というようなイメージでしょうか。


これ以外は特に公表していないようで、調べても何も出てきません。
相変わらずのイメージだけで語る闇鍋業界です。
「従来の化学合成ベースオイルより粘度指数が約15%高い。」ということなので、
従来の化学合成ベースオイル=VHVIと仮定すると、VHVIの粘度指数125×1.15=143.75
WBASEの粘度指数は約140でしょうか。


特許を調べたところ、それらしいものがありました。
潤滑油基油及びその製造方法並びに潤滑油組成物
Publication number  WO2009119520 A1
Publication type  Application
Application number  PCT/JP2009/055690
Publication date  1 Oct 2009
Filing date  23 Mar 2009
Priority date  25 Mar 2008
Also published as  CA2719591A1, 他8
Inventors  Kazuo Tagawa, 他5名
Applicant  Nippon Oil Corporation, 新日本石油株式会社


上記特許のベースオイルの特徴など
・尿素アダクト値 4質量%以下
・40℃動粘度 25〜50mm^2/s
・引火点 250℃以上
・粘度指数 140以上
・-35℃でのCCS粘度 15,000mPa・s以下
・ノルマルパラフィンを含有する原料油を水素化分解、水素化異性化により製造する。
・従来技術で40℃動粘度を50mm^2/s未満にするにはPAOが必須だが高価になる。PAOはさらなる高粘度指数化は困難。


水素化分解、水素化異性化によるノルマルパラフィンのイソパラフィンへの異性化率を向上すると低温粘度特性が改善される。同時に粘度指数は低下し、高温での粘度特性は悪化する(これが従来のVHVI)。

ノルマルパラフィン残存率を低減するだけでは低温粘度特性を十分に改善する事は困難。
生成したイソパラフィンの中にも低温粘度特性に悪影響を及ぼす成分がある。

尿素アダクト値の測定:尿素アダクト物として、イソパラフィンのうち低温粘度特性に悪影響を及ぼす成分、残存ノルマルパラフィンを精度よく確実に捕集、評価可能。

尿素アダクト値を適切に管理して精製されたものがWBASE。


【まとめ】
従来着目されていなかったイソパラフィン中の低温粘度特性に悪影響を及ぼす物質の含有量を測定する方法(尿素アダクト値測定)を利用することにより、高温・低温両方の粘度特性を改善する事に成功した。
製造工程は特に特殊なものではなく、尿素アダクト値と粘度指数を目標値に収めるよう考案されている。
こうして製造されたものがWBASEである。


【WBASEの正体】
従来のVHVIの「イソパラフィンに含有される低温粘度特性に悪影響を及ぼす成分」=「主鎖の末端から分岐位置までの炭素数が6以上であるイソパラフィンの濃度」を下げたもの。
※既出の添付画像「ベースオイルの分子構造」参照。「一般的なベースオイル」に対し、「WBASE」では直鎖から横方向に分岐する位置が5以下で表現されている。


といったところでしょうか。
XHVIのように製造方法が目立って違う訳ではないですが、アイディア的には素晴らしい発明のように感じます。




wbase03narwdlogo_officialpermitted.jpg
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