記事一覧

アルキルナフタレン添加量調査(メモ)

(メモ)=自身の調べ物。参考にしたい方もおられるかもなメモ。

 アルキルナフタレン(以下、ANとする。)を1.5L購入。これを単品/小売で買えてしまうのは世界でもNarrowdeさんだけではないかと。
 ANを用いるメリットは、熱・酸化物質に対する安定性増、デポジット抑制、潤滑性増、油膜切れになりそうな高圧状態では粘度が上昇し摺動面の接触を阻止など。個人的には最後の「粘度上昇」の性質が面白いと思います。これにより直接接触が避けられると、極圧系添加物の劣化防止、二硫化モリブデンや摩耗=金属粉の発生も抑制されることにつながります。極圧直前状態でこの効果が発動するとでも言いましょうか。
 お店の説明書きによれば10%~となっていますが、もしかすると5%程度でも効果出ないだろうか、、などケチな根性が調査の主な動機です。

コピペしたもの以外にもデータは掲載されていますが、ここでは妥当な濃度設定に資するデータのみ抽出します。
また、ここで弾き出した結論の濃度は、5cSt、12cSt共に共通です。


 まずはExxonMobil Chemical公式資料から。
20160325em_an01
酸化テスト
横軸 重量:x%*AN+(100-x%)*PAO
縦軸 時間
赤線 5cStのAN
青線 12cStのAN

この度購入したものは4.7cStですので、赤い方が該当ですが、12cStでも概ね同じです。
65%辺りで最高値となるようです。
詳細データが色々と足りませんが、恐らく、
・AN添加量5~25%部分のグラフは立ち上がりが比較的急だが、25%を超える辺りから効果の伸びがやや落ちる。

【小まとめ】
5%で意味が無いという事はないが、どうせ使うなら、、的に勿体ないようにも思える。



20160325em_an02
グループII+市販GF4規格DIパッケージ添加時の加速酸化安定性
※敢えて通常ではあり得ない程の負荷をかけて経時的な劣化具合を見るテストで、日本語では虐待試験とも言います。
横軸 時間
縦軸 粘度上昇率
黄緑色線・破線 1つ目パッケージ+鉱油(グループII)vs うち10%をANとしたもの
緑色線・破線 2つ目パッケージ+鉱油(グループII)vs うち10%をANとしたもの

・恐らくこの性能については10%でも充分な有意差が出るとメーカーが考えていると推測
・開封済みのエンジンオイルには予めANを10%程度混ぜておくと劣化が最小限に抑えられる

【小まとめ】
10%で充分という訳ではなく、その他の項目もトータルで考える必要がある。



20160325eman_03
その他のデータ
・デポジットのテスト(TEOST MHT-4 Test)では 0%ーー>約52mg、15%ーー>40mg(23%↓)、30%ーー>20mg(62%↓) となっており、5%ではイマイチ(主観)と推測できる。
・抜粋したデータ以外は全てAN20%又は25%であることから、メーカーとして充分な有意差が出ると考える値は20~25%程度と推測される。

----------------------------
Reference:
Alkylated Naphthalenes
UTS Seminar
St Petersburg Sept 13-15, 2011 Sandy Reid-Peters
ExxonMobil Chemical
-----------------------------



次に下記の特許から。
後から足すのにピタリな内容です。
拒絶査定処分になっているようにも思えるのですが、恐らくは、
新規性がない=潤滑油の更新の代わりにANを添加すれば手間が省けるというアイディアは、既にメーカーが挙げている「潤滑油にANを添加すれば性能が向上する」というものを「設備機械を多数有する」事業者に限定しただけである、事が理由と推測します。また大規模事業者がANを購入して自社の設備に使用しただけで特許侵害になってしまいます。
しかしながら、添加量などのデータ自体はExxonMobil他のデータと矛盾なく沿うものであり、良くまとまっているので参考とします。
※念のため:特許を取得していることと、その内容に謳われているようなメリットの有無は別の問題となります。この勘違い(特許を取得している=効果が実証されている、という誤解)を利用して、一部オカルトグッズでは特許取得を盛んに強調します。逆に、内容が真実、効果が実証されていることであっても、新規性が無いなどの理由により特許は取得できない事もあります。

【公開番号】 特開2005-330328(P2005-330328A)
【発明の名称】 オイル性能の改善方法
【発明者】 【氏名】小形 治
【要約】 【課題】新たな潤滑油の採用に伴う確認作業や、開発費用等の種々の不利益を回避することができるオイル性能の改善方法を提供する。
     【解決手段】以下の化学式で表されるアルキルナフタレン化合物を既存のオイルに添加する、オイル性能の改善方法。

 例として具体的に挙げられているAN
・100℃で5cSt(mm2/s)の動粘度 「Synesstic 5」(エクソンモービル化学社製)、メーカー開示性状:4.7cSt@100℃、29.0cSt@40℃
・100℃で12cSt(mm2/s)の動粘度 「Synesstic 12」(エクソンモービル化学社製)、メーカー開示性状:12.4cSt@100℃、109cSt@40℃

効果として下記のようになっております。
【発明の効果】
【0015】
~前略~
さらにその潤滑性、耐摩耗性等の性能を向上させることができる。
~後略~

気になる添加量は、、、
【発明の効果】
【0031】
既存のオイルへの、アルキルナフタレン化合物の添加量としては、既存のオイルおよびアルキルナフタレン化合物の総量を基準として(100質量%)、アルキルナフタレン化合物を5~50質量%添加するのが好ましく、さらには、10~30質量%添加することがより好ましい。添加量が少なすぎると、アルキルナフタレンの効果が発揮されにくくなる。また、添加量が多すぎると、アルキルナフタレンの効果が飽和すると共に、経済的に好ましくない。
----------------------------------------------
好ましい濃度→5~50%
より好ましい濃度→10~30%
----------------------------------------------

勝手に補足
----------------------------------------------
効果がイマイチ濃度→5~10%
経済的にイマイチ濃度→30~50%
----------------------------------------------



【まとめ】
~5%:添加する意味があまり無い。
5~10%未満:得られるメリットに対して投下するコストが過大になる。
10%:ANの恩恵を受けつつコストを重視する場合の最低濃度。
20~25%:メーカーが考えるメリットとコストのバランスが良い濃度。
~30%:コストは気にせずANの恩恵を重視する場合。
~50%:コスト度外視で性能を追求する場合。
おおまかに以上のような感じ、と結論づけます。



【エステルも投下する場合】
エステルのComp-3も購入したのでこれも投下します。
この場合、Comp-3の性状により潤滑性能などが底上げされるので、
・Comp-3の存在によるANの劣化抑制
・ANの存在によるComp-3の劣化抑制
という具合に高いレベルでの相乗効果が生まれるように思えます。

ANの利点であるオイルの延命効果から考えるとエステルの加水分解が気になるところですが、
・ANの性状として基油の加水分解に対する安定性↑があること
・Compシリーズはその対策が講じられている(恐らくエステル用の対加水分解添加剤入)
ということで問題は無さそうです。






楽天市場でさがす。

Yahoo!ショッピングでさがす。
Amazonでさがす。
サウンドハウスでさがす。
日々の生活にhappyをプラスする|ハピタス
ヤフオクの落札・出品、楽天、ヤフーショッピングなどでポイントバック。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

uskd

Author:uskd
こんにちは。理系の技術屋です。
記事のお題がバラバラですので、右下のカテゴリを使って下さいませ。
左上の記事一覧をクリックすると時系列で一覧表示になります。
楽器と電子部品はどちらにするか迷ったものもいくつか御座います。



[PR]




最新記事